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minto発!1話完結、5分で読める小説。
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SNSで起きる身近な出来事に、思わず共感してしまうかも。
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今回は「見られてしまった!」誰もが起こりうるSNSの恐怖・・
『s.n.s.n〜迷える人達〜』はソーシャルネットワークサービスノベル、すなわちSNSに焦点を当てた短編小説です。
今回はSNSの便利さに苦しめられた、嘘が嫌いなバカ男のお話です。

初めての嘘

僕は嘘が嫌いだ。今迄の人生で嘘をついた記憶がない程に嘘が大嫌いだ。

しかし彼女にせがまれ、僕は初めて嘘をついた。

勤め先の部長に「親戚の法事がある為、有給をいただきたい。」と・・・本当は彼女と沖縄旅行に行くための有給だ。
初めから「旅行に行くので有給をください!」と言えば良いのだが、この忙しい時期にそんな事は口が裂けても言えなかった。

後ろめたさはあったが、せっかくの旅行を楽しむ事にした。

しかし、それが悲劇の始まりだった・・・

楽しいひととき

カンカンに照らす太陽の下、ビーチでサングラスをかけた僕はトロピカルジュースを片手にピースサイン。
彼女が撮ってくれたお気に入りの写真をSNSに投稿。たくさんの『いいね』が押されていく。

そして、ハイビスカスを頭に乗せて大爆笑している写真も載せた。

法事なう

完全に浮かれていた。
自分がしている重大なミスに何故気づかなかったのだろう・・・僕のフレンドリストには部長もいるじゃないか・・・
恐る恐る『いいね』を押してくれた人のリストを見る。

嫌な予感は的中した。

リストの中に部長の名前がある・・・・

全身から血の気が引くのがわかった。こんなに恐ろしい『いいね』は見たことがない。なんの連絡もないところが更に不気味だ。
休み明けの会社が修羅場になる事は間違いない。
頭をグルグルと回転させる。

「どうすれば良いんだ?投稿を削除するべきか?・・・いや待てよ、それでは自分の非を認めるようなものだ・・・」

考えに考えた結果、僕は自分の投稿した写真にコメントを付ける事にした。

「法事なう」

遺言

頭の中はパニックだった。
ビーチでサングラスをかけ、トロピカルジュースを飲む法事がどこにあるというのだろう。

さらに、ハイビスカスを頭に乗せて爆笑している写真にもコメントを付ける事にした。

「遺言通りに3回忌にハイビスカスを頭に乗せて爆笑した」

どんな遺言だ。しかし他に何も思いつかなかった。
だから嘘が嫌いなんだ、嘘は不幸を招く種だ。

僕は嘘と・・・・SNSが嫌いだ。

最後に

SNSの普及によって便利になった世の中ですが、その便利さに苦しめられることも確かです。
フレンド登録は慎重に行いたいですね。