小説
2017年08月12日

s.n.s.n〜迷える人たち〜

6・私のスマホは傷だらけ

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minto発!1話完結、5分で読める小説。
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スマホが傷ついた原因とは・・・?
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SNSで起きる身近な出来事に思わず共感してしまうかも?!
私のスマホは傷だらけ。原因はSNS。

結婚願望

30代独身、恋人なし。俗に言う結婚適齢期を過ぎてしまった私。社内では完全に御局様扱いをされている。結婚なんて興味ないなんて顔をしているが、喉から手が出るほど彼氏が欲しい、心の中は結婚願望という名のマグマが煮えたぎっている。
そしてもちろん周りの人間の結婚に敏感だ。SNSを開き、誰かの結婚報告に苛立ちを覚える・・・そして友人の結婚を素直に祝えない自分に腹が立ち、私のスマホはため息と共に放物線を描き、テーブルの上に投げつけられる。

誰かが結婚する度に、心とスマホの傷は増えてゆく。

あの子まで・・・

『男なんて信用できないよね!私たちは一生独身でも良いよね!仕事に生きよう!』
『お金貯めてさ、誰かに縛られる事もなく旅行とか沢山行ってさ、悠々自適に生きようよ!』
『独り身が一番楽だよね!マジで主婦とかありえないし!!毎晩旦那のご飯作って待ってるとかマジ勘弁』
なんて事を居酒屋で連呼し、意気投合した同い年の友人が結婚した・・・・・

そしてついに・・・

SNSには、『主婦が私の天職かも。今日は張り切っちゃった!早くダーリン帰ってこないかなぁ〜』と、2人分の夕飯の写真がアップされていた。
裏切り者め!私は『ブルータスお前もか』と叫びスマホをフローリングに叩きつけた。そしてついに画面にヒビが入り完全に故障した・・・。

私の心を具現化した様な有様だった。
私はなんて愚かなんだろう。

運命の修理

余計な手間、余計な出費、くそっ、ブールタスめ!とブツブツ口ずさみながら携帯ショップへ。運命を変える修理受付だった・・・。

カウンターの奥には高校時代恋をしていた、野球部の高橋君が座っていたのだ。

それから半年後、私は自分とスマホを傷つけた全ての投稿に感謝する事になった。
スマホが傷つかなければ、この投稿はできなかったから。

この投稿で誰かのスマホが傷つくのかな・・?

最後に

誰かの幸せな報告が舞い込んでくるSNS。
素直に喜べる自分でありたいですね。