医療・育成
2017年08月09日

現役のお医者さんによる”医者への道のり”

現役の医師が教える!研修医病院の選び方

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医者のはじめの一歩「研修医」
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医師としてどんな病院でキャリアを積めばいい・・?
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病院を選ぶにあたってのポイントは?
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現役医師があなたの悩みを解消してくれるかも。
医者のはじめの一歩、研修医。
「研修医」と言えど、医師免許を持った法律上は立派な医師です。
鉄は熱いうちに打て!と言いますが、医師としてどんな病院でキャリアをスタートさせるのか悩ましいところ。
今回は臨床研修病院の選び方について独断と偏見があるかもしれないですが、少し書かせていただこうかと思います。

はじめに

臨床研修が必修化されたのは2004年からで、医者として相応しい人格を備え、基本的な診療ができるようになるよう制度化されたものです。
一昔前は、卒後すぐに専門を決めていたために、専門外の知識は年を重ねるごとに薄れていく人も少なくありませんでした。
しかし、近年ではプライマリ・ケア、つまり総合診療の需要が高まっていきました。
自分の専門外でも、最低限の診療ができるようにということからスーパーローテート、つまり様々な科を一通り回っていく制度が始まったのです。

研修先の病院は「マッチングシステム」で決まる

さて、研修先の病院の決定は、マッチングシステムで決まります。
「自分」が希望する、病院の順位
「病院」が希望する、学生の順位
の2つを加味して、コンピューターがアルゴリズムに従って、両者が納得できるような組み合わせを導き出してくれます。カップリングみたいなものですね。
自分の希望する病院以外は受けないわけですし、一方で病院側としても受験者の中から順位を決めるので、妥当な組み合わせになるのです。
実は、自分の希望する病院全てからフラれてしまう(アンマッチ)ってことも稀にあるのですが、これは後で「裏技」として紹介します。



病院を選ぶにあたってのポイント

病院を選ぶにあたってのポイントですが
・大学or市中病院
・教育
・手技
・立地
・給料
の5つが挙げられると思います。

○大学病院or市中病院
ざっくり言って、大学病院は専門性が高く、市中病院はcommon diseaseが多く経験できるイメージです。
また前者は同期の人数が沢山で心強く、後者は少人数で交流が濃いといったところでしょうか。
臨床研修が必修化された当初は、沢山の症例を経験できる市中病院の方が人気が高かったのですが、最近では大学病院が、大学病院と関連市中病院の2つを経験できるプログラムを提供しており、大学病院の人気が復活してきているように思えます。

○教育
病院実習を1年してきたとはいえ、いきなり実地に立たされると分からないことだらけ。自分で調べて勉強するのは当然ですが、実際に経験してみないと分からないものです。
主体性を持って研修医が働き、それを上医がほったらかしにせずフィードバックして教育してくれているかを病院見学の際にチェックしておきましょう。

○手技
病院業務の多くを事務作業に費やしていては、診療に参加できている感がありませんよね。
「MRI室に患者さんを連れてって」
「カルテ整理しといて」
いったい自分の仕事は何なんだろう・・・そう疑問に思うことのないよう、どんな症例をどのくらい積んでいるのか先輩に聞いておくといいと思います。

○立地
若いうちは都会で働きたい!地元が慣れ親しんでいるからこのままがいい!などはもちろんですが、将来自分がどこで働きたいかがはっきりしている人にとっては重要かと思います。
例えば、将来は自分の親の病院を継いで地域医療に貢献する!と決めている方なら、クリニックで診ている患者さんを紹介、または大学病院からクリニックに紹介ってことがあるわけで、その地域でのネットワークを構築しておくことが大切だからです。

○給料
悲しきかな都会に行けば行くほど安く、地方に行けば行くほど高くなる傾向にあります。
臨床研修の必修化で、研修医が研修に専念できるよう最低賃金を出すように厚生労働省が決めているのですが、実際は都内でもその最低額を下回る病院がいくつかあります。
一方で、地方の病院なんかではいきなり年収が8桁を超えちゃうところなんかもあります。
また、募集要項には載っていない時間外労働手当や家賃負担などの福利厚生なども実はかなり手厚いところもあったりします。
表面上の数字だけでなく、実情を先輩などから仕入れておくといいでしょう。

以上の5つのポイントを、病院選びや見学の際にしっかりみておくといいと思います。
病院の試験のためでもありますが、実際に足を運んで見学することはとても大切です。
一年目の研修医の人たちは、自分と一緒に働く先輩になるかもしれません。見学の際に、尊敬できる先輩などが見つかるかもしれません。
また、その職場の雰囲気は、どれだけホームーページや先輩から聞いても、実際に自分で感じてみないとわからないことが沢山あります。
国家試験・卒業試験勉強や病院実習で忙しい中大変ですが、頑張って時間を作って見学に行ってみてください。


最後に

【番外編アンマッチ】
マッチングで全部の病院にフラれてしまった・・・いや実はあえてフラれてしまうのも手なんです。
国家試験は相対評価の試験で、受験者の約1割は「必ず」落ちます。
つまり入るのが難しい病院でも国家試験落ちによってポストが空く可能性があるんです。
ですので、マッチングで希望病院をあえて挑戦的な病院だけをピックアップして、受かればバンザイ。
アンマッチになれば、国家試験合格発表後に有名病院にリベンジっていう裏技もあったりします。もちろん賭けではありますが(笑)

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コラムニスト

都内某病院・クリニック形成外科・美容外科医 アメリカ生まれでミドルネームを持つ。 大学4年の秋に再受験を奮起し、約1年後に医学部合格。その後はストレートで卒業・国試を合格する。 現在、年間350症例を超える乳房再建を行う病院にて、形成外科医として日々治療にあたる。 その傍ら美容クリニックで、年間800人以上の患者様に美容施術を行う。 得意な施術はフィラー(ヒアルロン酸・ボトックス注入)、涙目袋、隆鼻からリフトアップまでどんな年齢層にも合わせた施術が可能。 施術後の患者様が心から笑顔になる瞬間に、これ以上ない喜びを感じる。

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