小説
2017年07月22日

s.n.s.n〜迷える人たち〜

4.それでも構わない

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minto発!1話完結、5分で読める小説。
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SNSで起きる身近な出来事に、思わず共感してしまうかも。
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自分が"いじめ"の加害者に!?
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深刻な"SNS"いじめ問題をテーマにした小説です。
心のモヤモヤが晴れない、何故なら私は今、いじめをしている。
しかも中学時代、一番仲の良かった子に対して。

いじめ

どうしてこんな事になってしまったのだろう?静香とは中学時代バトミントン部で同じ釜の飯を食った大切な仲間だったのに・・・
高校に入って少しずつ疎遠になり、私は静香とは全くジャンルの違う少し派手な女子グループと仲良く過ごしていた。
そこまでは良かったのだ。しかしグループのリーダー的存在が地味で真面目なクラスで目立たない存在の静香をいじめ始めたのだ。何が発端とかではなく、ごく自然にそれは始まった。私は静香をかばうことができなかった・・・あろう事か一緒に静香をいじめてしまった。
私は最低だ。でも怖かった、本当に恐怖だった。もし静香をかばったらターゲットが自分に向くのではないかと。

あの頃に戻りたい・・・

毎晩布団に入り眠りにつく前に必ず自己嫌悪に陥る。その度LINEを開き、中学のバトミントン部のグループLINEを読み返す。静香が私の変顔の画像を何度もアップしている。トーク履歴を遡るほど枕は湿ってゆく。
私は心底思う、あの頃に戻りたいと・・・静香にからかわれていたあの頃に。

瞳を閉じた時、LINEの通知音が鳴った。スマホを覗くと私が現在属している仲間内のグループLINEからだった。
また静香の悪口だ。
ため息をつき窓の外を見る。堂々とした綺麗な満月が見える。既読が増え、通知音が幾度となく鳴り響き静香の悪口は加速してゆく。悔しくて、悔しくて、自分が情けなくて満月が涙で滲む。

ありがとう、また仲良くしたいな

本当は静香を守りたい、そして静香に謝りたい、心の底から。私はスマホを強く握り文字を打ち込んだ。

「静香をいじめるのはもう止めない?あいつ何するかわからないし面倒くさいよ」

これが限界だった。単にいじめを止めるだけだと次のターゲットは私だ。ドキドキしながら皆の返信を待つ・・・通知音が部屋に響き渡った。
静香からの返信だった。

「ありがとう、また仲良く話したいな」

何故?静香から?スマホを見て自分の失敗に気づいた。バトミントン部のLINEに誤ってメッセージを入力していた。青ざめるよりも先に静香のメッセージが脳内に焼きついていた。ありがとうなんて止めてよ、静香、私も仲良く話したいよ。


友情

私の指はもう止まらなかった。

「静香、本当にごめん、明日お昼ご飯一緒に食べない?」

自分でも何を打っているのか訳がわからなかった。いじめた事を棚に上げて一緒にご飯食べようだなんて・・・・頭を抱えていると直ぐにメッセージが返ってきた。画像も添付されている。恐る恐るLINEを開くと・・・

「うん、楽しみ!」

のメッセージと共に私の変顔が添付されていた。自分の変顔を見てこんなに涙するのは最初で最後だろう。彼女が一番私の事を理解していてくれている大切な存在・・・もっと早くこの事に気づくべきだった。

私は決めた、立ち向かう事に・・・例え次のターゲットにされても・・・

それでも構わない。

最後に

今や便利なLINE。
しかし、その裏で”LINEいじめ”や様々なトラブルが起きていることも事実。

そんなLINEが「いじめを止めるきっかけ」になれば、この先の未来が変わるかもしれません。

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